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2015-10

畜生道、餓鬼道、地獄道

三悪道と仏教の歴史

仏教には六道輪廻の考えがあると

以前も記したことがあるが

仏教では、現世での行い如何によっては

天道、人間道、修羅道、畜生道、餓鬼道、地獄道

の、いずれかに転生すると言われている

そして、地獄、餓鬼、畜生の3つは、三悪道と呼ばれていて

皆が、避けて通りたいと考えている道である

そして、三悪道に落ちないためにも

現世での行いに気をつけて

来生を、より良い転生ができるように願うのである

しかし、その道が厳しく

欲を滅し、厳しい規律を守り修行に励まなければ

三悪道を避けることはできないと考えられていた

そして、悟りを開いた状態(=解脱)を目指すのである

その道は、煩悩を捨てる道であるため

多くのものは、その道を断念せざるを得ない場合も多く

しかし、三悪道に転生する恐怖もあり

死後の解釈を変えて

全ての死者が仏になれるようなシステムに変わっていった

現代の日本では、宗教観も

冠婚葬祭の時のみに登場するような形で

その教えを深く考えずに

儀式だけを執り行う場合も少なくない

もっと酷い場合には

婚姻する場合と、葬式をする場合に

全く違う宗教の儀式を行うことも少なくない

故に、その宗教観の中に

三悪道に転生する恐怖もなく

取りあえずは、追善供養を行うことで

現世での行いが悪くても

成仏できることになっている

しかし、その敗者復活戦のようなシステムに変わったことによって

現世で良い行いをすべきである…という観念が薄れて

多少悪いことをしても、成仏できる…と考えるのであれば

まだマシな方で

儀式のためのパフォーマンス的な捉え方では

現実主義に偏り過ぎて

目に見えることだけを信じるようになり

行い云々以前の問題となってしまう

そうならないためにも

真理を伝えるべき人間が

正しい解釈を伝えることが重要になってくる

水と日本の歴史

日本は海に囲まれている島国であり
河川も多く、川や海からの恵みを多く受けてきた国である

その一方、最近では東日本大震災の大きな津波災害があり
津波、河川の氾濫、台風の被害など
水に関する災害が多い国でもある

日頃は、その恵みに神の存在を感じ感謝をするが
災害などが起こると、神の怒りだと捉え
その怒りを静めるために、様々な儀式を行う
その儀式のひとつに人身御供がある

実際に日本では、生贄の風習は少なかったようだが
それでも、風習や慣習としてはないが
近畿地方を中心として人身御供の記録は残っている
その生贄は、人の場合は少なく
動物が差し出されることが多かったという
特に多いのが牛で、その他のも猪や鹿など多くの動物が犠牲となったようである

この人身御供は、諸外国と比較した場合
日本は圧倒的に水に関係するものが多いのも一つの特徴である

神話の中にも人身御供と思われる内容の話も多く
ヤマタノオロチの話もそうだが
ヤマトタケルの東征の際に后の弟橘比売が
荒れる海の中に入水した話や
現在の大阪府門真市にある茨田堤の話の中にも
河川の氾濫を抑えるために少女が人身御供となった記述が日本書記の中にある

基本、生きているか、そうでないかは関係なく
お供え物とは、神に気を静めてもらうためのプレゼントであり
酒や米、花、お金…様々なものが現代でもお供え物として使われていて
あまりにも、状況が悪い場合(多くの命が犠牲になると想定される場合)には
自分達にとって、より大切なものをお供え物として献上した方が
大きな効果が得られると考え
人の命、それも若く美しい命が一番効果が高いと考えられて
年頃の美しい少女が犠牲となることが多いようだ

村を守るためと説得され
断ることも許されず
その犠牲となった少女達…
そして、その親の心情を考えると居た堪れない気持ちになるが
日本は、そうやって水との共存を模索しながら
災害と向き合ってきた国なのだ

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