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2015-03

天岩戸神話

せっかく天照御大神の許しを得て高天原に入った須佐之男命だったが
高天原に入った態度がひどかった
高天原の田の蛙(あぜ)を壊してまわったり

祭殿に糞をまき散らしたりした

 

その様子に怒った天照御大神は、天岩戸に隠れてしまった
これが天岩戸神話である

 

太陽神である天照御大神が隠れたことで
高天原も葦原中国も、闇に覆われてしまい
邪神の活動が活発になったことで、世の中に災いがあふれた

この話は有名な話なので
聞いたことがある人も多いだろうが
この闇が一体何を表しているのか議論が耐えないところである

一般的によく言われているのが「日蝕」である

現代は、日蝕に対しては闇のイメージというよりは
珍しいことで人気があり、イベント的な意味合いを持っているが
当時の人々にとって、光が奪われるということは死活問題であり
一大事だったのだ

 

太陽が隠れるということは
作物が育たず、飢餓が訪れる…ということである
その結果、様々な災いが起こるということだ

また、この闇は火山の噴火によって空が火山灰で覆われたことで
日の光が遮られた様子を表すとする説もある
神話に置き換えると、天岩戸は火山灰を表していることになる

他にも、冬至を表しているのではないか…という説もある

現代の感覚で考えると
冬至は恐ろしいことのように思えないかもしれないが
神話の中では、冬至は恐ろしいもの…という認識があり
それは、世界中の神話での共通認識である

太陽神が隠れて世界が闇に包まれる話は
インドシナ、中国、ギリシャ、北欧の神話に見られる

話は、変わるが
世界中の神話を見てみると
このように似たような内容の話が多い

かなり昔の話なので
陸続きに伝えられた可能性は低く
大陸をまたいで似たような内容であることも少なくない
海を渡って伝わったとは考えにくく

このようなことから
共通して語られる神話は真理なのかもしれない

様々な国民性、宗教観、哲学の根源が
神話にあるのかもしれない

神生み比べ〜天照大御神と須佐之男命の誓約〜

須佐之男命は、父であるイザナギに海原国の支配を命じられた

母であるイザナミが亡くなり

母に会いたい想いから、母が去った根の堅州国に行きたいと泣き暮らしていた

 

その号泣の声で、山々の緑が枯れるほどだった

その隙をついて、悪しき神々が世界に災いを振りまき始めた

 

このままでは、世界が滅びてしまうと危惧したイザナギは

須佐之男命を海原国から追放することを決める

 

根の堅州国に行く前に、姉である天照大御神に別れを告げるために
天上界の高天原を目指すことにした

 

ところが須佐之男命が高天原に昇るとき
山河は鳴り響き大揺れした

その様子に驚いた天照大御神は侵略だと思い

矢を構えて武装して弟ではる須佐之男命を待ち受けた

 

侵略ではないことを須佐之男命は釈明するが

天照大御神は、なかなか疑いを解いてくれない

侵略ではないという証明をしてみせよ
と追いつめられた須佐之男命は

生んだ神を比べる「誓約(うけい)」を申し出た

 

高天原にある天安河を挟み

誓約を行った

 

互いの所持物を交換し

その物から神を生み、その生んだ神が男か女かで勝敗を決めることにした

 

まず天照大御神が須佐之男命から剣を受け取り
噛み砕いて息を吐き出すと
3人の女の子が誕生した

宗像三女神といわれる姉妹神である

 

須佐之男命が天照大御神の勾玉を噛み砕くと

その息から最初に出現したのが

皇室の祖先となる天忍穂耳命だった

二番目が天穂日命で、のちの国譲りの使者として
出雲に送られた
さらに三人の男子が成り出て

合わせて須佐之男命は五人の男神を生んだ

 

誓約の結果から須佐之男命は
自分の剣から生まれた子が女だからと懸念は晴れた

と勝ちを宣言し、潔白が証明されたので高天原に入ることができた

 

天照大御神は

「私の勾玉から成った子だから男神は自分の子だ」

と言った

 

勝敗を決めたのは
借りた物で、生んだ神であったが
もともとは、自分の勾玉だから自分の子であると主張したのだ
実は、この主張は大変重要で

天照大御神が天皇家の祖先神である…ということになる

天皇の祖先となる天忍穂耳は
天照大御神の勾玉から誕生したからである

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