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2015-05

神の位

古事記において最初に登場するのが

天之御中主神(あめのみなかのぬしのかみ)である
そして、日本の国を生んだイザナミとイザナギ

イザナギから生まれた三貴子と呼ばれる神々がいて

出雲を建国したオオクニヌシ
…など
古事記の中には、様々な神々が登場する
神の中で最も位の高い神を「最高神」と呼ぶ

 

一般的に最初に現れた神を最高神と呼ぶが
日本では、太陽神である天照大御神を最高神として、伊勢神宮内宮に祀っている

 

天照大御神が最高神なので
天照大御神と関係が深い順に位が高くなっていくことになる

天照大御神の次に位が高いとされているのが
兄弟であるツクヨミとスサノオは
「三貴子(3柱の貴い子)」という呼び名からも尊い神である
そして、同じ天つ神であったとしても
天照大御神の直系の子孫の方がより位が高いとされている

天つ神と、国つ神では
天つ神の方が位が高いとされている
オオクニヌシは、最初のに現れた神なので
一番位が高い神になるはずなのだが
オオクニヌシは国つ神なので
天照大御神と比べる器でもないのである
そして、この神々の位も
最初はからあったわけではなく
後世の人間が作り出した序列である…と考えられている

 

 

イザナギとイザナミが生んだ日本は、今の日本とは少し違う

イザナミとイザナギによって生まれた日本の国

この国生みによって生まれた島は 今の日本の国とは少し違っている

 

国生みの際に生まれた島は順番に

淡道之穂之狭別島(淡路島)

伊予之二名島(四国)

隠伎之三子島(隠岐)

紫島(九州)

伊伎島(壱岐)

津島(対馬)

佐渡島(佐渡)

大倭豊秋津島(近畿地域※これを本州とする説もある) の八島である

 

そこからさらに

吉備児島(岡山・児島半島)

小豆島(香川・小豆島)

大島(山口・大島)

女島(大分・姫島)

知訶島(長崎・五島列島)

両児島(長崎・男女群島)

の六島が生まれた

 

これが、イザナミとイザナギが生んだ島々である

今の日本と比べるよと、北海道、東北、沖縄が生まれていないのである

 

古事記がつくられた当時は 北海道や沖縄が日本ではなかったからであると考えられる

 

正確には、当時の朝廷の支配が及んでいなかった地域で 当時、北海道や沖縄は認識されていなかった可能性が高い そのために日本の中に組み込まれていなかったのではないだろうか

 

東北に進出するのが7世紀ころの話

 

北海道にいたっては、15世紀ころにようやく本州の大名が支配に乗り込んでいったが 江戸時代の中期までは、日本地図にさえ描かれていなかったのである

 

沖縄も15世紀に琉球王国として成立し

日本とは別な国家として、東南アジアとの貿易を独自に行い繁栄していったのである

 

北海道も沖縄も、正式に日本の領土となったのは

明治以降の話であるから、ごく最近のこと…

古事記の神話の中に登場するはずもない、最近の話なのである

 

そして、国生みの前にイザナギとイザナミが最初に降り立ったとされるのが

淤能碁呂島(おのごろじま)だった

イザナギとイザナミが、まだ形の定まらない葦原中国を矛でかき混ぜ

引き上げるときに滴った海水が積み重なってできた島である

 

神話の中に話があっても この淤能碁呂島は、どこにあるのか全くわかっていない

 

しかし、いくつか候補はある

和歌山の紀阿淡海峡に浮かぶ友ヶ島

兵庫の淡路島北東にある絵島

徳島の鳴門海峡にある飛島

淡路島北西の瀬戸内海・播磨灘にある家島

淡路島の南にある沼島

など

どれも、イザナミとイザナギが最初に生んだ淡路島の近くにある島だ

その中で、最も有力視されているのが沼島である

 

国生みではじめに生まれたのが淡路島と四国だったので 昔の日本の中心は、阿波(徳島)だったのではないかと言われている

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