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2014-06

古事記・神代の物語4

イザナギは
「なんと穢い国へ行ってきたのか…、禊ぎをしなければ」
と、筑紫・日向に阿波岐原に向かい、禊ぎと祓いをした

 

その時、身につけていたものを脱ぐたびに
十二に神々が出来た

また、瀬に潜って身体をすすいだら
穢繁国(黄泉の国)で触れた汚垢から、禍々しく、汚れた二つの神が出来た

そして、その禍々しさを直すために二神が出来た

 

水底に潜って身を清めときには
海の神、航海の神たちが出来たが
海の神々は、安曇連(あずみのむらじ)が先祖神として奉拝し
航海の神々は、墨の江(大坂住之江・住吉神社)の三神となった

それからイザナギが左目を洗ったときに天照大神が
右目を洗ったときに月読命が
鼻を洗ったときにスサノヲの命(建速須佐之男命)が現れた

 

イザナギは大喜びで
「私はたくさんの子を次々と成り立たせたが、最後に三人の貴い子たちを得ることができた」
と、言い

首飾りの玉をゆらゆら揺らしながら天照大神に与えて

「おまえは高天原を治めなさい」
月読命には「おまえは夜の世界を治めなさい」

スサノヲの命には「おまえは海の世界を治めなさい」
と、それぞれに伝えた

みんなイザナギの言う通りに治めたが
スサノヲだけは、その言葉に背いて治めずに
あごひげが胸まで伸びても泣き叫んでばかりいた
その泣き方は、青々した山が枯れ、海河が干し上がるほど激しいものだった

まるでハエが一度に沸き出したように
悪神があたりに満ちあふれ、災が起り始めた

イザナギが「なぜ、国を治めずに泣いてばかりいるのか?」
と聞くと
スサノヲは「死んだ母が行った妣の国、根の堅洲国(黄泉の国)へ行きたくて泣いているのです」
と答えた

イザナギは、それを聞くとたいそう怒り
「それなら、おまえはこの国に住んではいかん!」と言ってスサノヲを追放した

古事記・神代の物語3

イザナギは、妻が亡くなって悲しみにあけくれ

どうしても妻に会いたくなり

イザナミのいる、地下の黄泉の国へ向かった

黄泉の国へ行くと、入口で妻が迎えてくれた

 

「愛しい人よ、あなたと作った国は未完成のままだ。一緒に帰ろう」

と、イザナギが言うと

 

「もっと早く来てくれなかったのが残念です。私は、黄泉の国の食べ物を食べてしまったので、もう戻ることができません。でも、せっかくあなたが来てくれたのですから、私もなんとか戻りたい。黄泉の国の神と相談してみます。でも、お願いです。その間、決して私の姿を見ないでください」

イザナミは、そう言うと宮殿の内に戻っていた。

 

しかし、どんなに待っても、妻は戻ってこない

 

待ちきれなくなったイザナギは、結い上げた左の髪から神聖な櫛の端を一本折り

そこに火を灯して中に入ると

イザナミの亡骸にウジムシがたかり
頭、胸、腹、陰、両手、両足に大小八つの恐ろしい雷(いかづち)が住んでいた

イザナギは、あまりの恐ろしさに逃げ出すと

イザナミは、それに気がつき

「私に、恥をかかせましたね!」と言って

黄泉の魔女達に、後を追わせた。

 

イザナギは、なんとか魔女達から逃れることができたが

今度は、八つの雷神と千五百もの黄泉の集団が追いかけてきた

そして、それも必死で逃れると

最後には、イザナミ自身が追いかけてきた

 

困ったイザナギは、千人の力でやっと動かせるほどの大きな「千引石」を、黄泉津比良坂まで引き
入口を塞いだ

そして、イザナギとイザナミの二神は、その石を中心にして向かい合い、互いに最後の別れの言葉を告げた

 

「愛する夫よ。こんな仕打ちを受けるなら、私は、あなたの国の人を一日に千人、首を締めて殺します!」と、イザナミが言うと

イザナギは

「愛しい妻よ。それなら、私は一日に千五百の産屋を建てる」

と、言った

 

その結果、人は一日千人死に、一日千五百人が生まれた

 

そして、イザナミの命のことを名付けて「黄泉津大神」と呼ぶようになり

黄泉の坂を塞いだ石を「道反の大神(ちかえしのおおかみ)」または、「塞ります黄泉戸大神(さやりますよみとのおおかみ)」と、呼ぶようになった

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