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2015-04

天岩戸の場所が全国に点在する理由

日本神話に登場する地名などは 現在でも、その名前の地名が存在し 神話の内容とともに、その土地に引き継がれている場合が多い

 

例えば、黄泉の国への入り口である黄泉比良坂は 現在の島根県松江市東出雲町に存在している

 

それと同じように 天照大御神が閉じこもったとされる天岩戸も存在するといわれているが

なぜか、その天岩戸は全国に存在するのである

 

その中でも一番有力とされているのが

宮崎県の高千穂にある天岩戸である

 

ここはニニギが降り立った場所でもあり 全国で天岩戸を名乗る場所の中では

一番、神聖な雰囲気を醸し出していて 神の存在を感じる空気感だという人も多い場所である

 

次に有力なのが 三重県の伊勢である この近辺には、天岩戸とされる場所が各所に存在していて

伊勢神宮外宮と、二見輿玉神社、そして三重県志摩にも天岩戸とさえる場所が存在している

志摩の水は、名水百選にも選ばれている

 

他には、奈良県橿原市の天岩戸神社

岡山県蒜山の山頂付近、徳島県つるぎ町、沖縄県伊平屋村のクマヤ洞窟などが 天岩戸の場所だったといわれている場所である

 

もちろん近畿地方が多いのだが 全国各地に、天照大御神が閉じこもった天岩戸の場所だと宣言するところが存在している

 

なぜ、こんなにも多くの場所が存在するのであろうか?

 

大きな理由としては そもそも高天原の場所が、はっきりしていないことが原因のひとつにあげられる

 

その高天原の場所が、おおよそでも検討がつけば

もう少し範囲を狭めることができそうだが

それができないので

天照大御神と関係が深いゆかりの地や 霊力が宿るとされる山中や高地、水辺などの その雰囲気を持った地形の場所などが 天岩戸でないか…と推測されたり または、自ら地域の人が名乗り出て、伝説にのっかてきた可能性もある

 

天岩戸に関係しそうな または、関係していると名乗っている場所は他にも多く存在していて 「天岩戸」という言葉だけではなく、「岩戸」や「戸隠」など名前のつく神社は 天岩戸神話にまつわる場所である可能性が高い

 

点在する理由のひとつに 古事記で解読しきれていない内容も数多くあると考えられていて その解読が進むにつれて 天岩戸の場所も特定できる日がくるのかもしれない

 

天岩戸での踊りの意味

天照御大神が天岩戸に隠れてしまって
世界が真っ暗になってしまった時
困った八百万の神々は、天照御大神をどうにかして
天岩戸から引きずり出そうかと作戦を練ることにした

 

その結果、神々は

天岩戸の前で宴会騒ぎを行うことにした

その作戦が正しいかどうか判断するために

神々に鏡や勾玉を作らせて占ってみた
その結果、その作戦を遂行した方が良い…という結果が出たので

天宇受売命(あめのうずめのみこと)は、神懸かりをして、胸乳をさらけ出し
衣装の紐を陰部まで押し上げて、裸も同然で踊り出した

それを見ていた高天原の神々は大笑いし
その笑い声が響いて、その場は賑わった
その周囲に響く笑い声を不審に思った天照御大神が
天岩戸の入口から顔を出し
その隙に引っ張り出して、天岩戸を封じてしまったのである
その一連の話が、天岩戸神話のあらすじである

 

天照御大神を引っ張り出すために天宇受売命が踊ったこの行為の意味について考えてみたい

 

これは、ただ面白く踊ってみただけではなく
祭祀的な意味合いを持つ儀式である

それは、踊る前に用意された道具でも推測できる

 

この儀式は「鎮魂祭」や「大嘗祭」を表すとも言われている

この天岩戸神話に関しては
暗くなった闇の様子を冬至の頃を表しているのではないか…という説もあり

鎮魂祭が旧暦11月の冬至の時期に、天照御大神の直系の子孫である天皇家の魂を鎮めるために行われる祭祀である

 

大嘗祭は、天皇の即位後に初めて行われる祭祀であり
その大事な行事の前に天皇の魂を鎮めるのが鎮魂祭である

 

この天宇受売命の踊りが神楽のルーツになっていて
このため、天宇受売命は神楽の神として祀られていて
芸能の向上によいとして、芸能関係者が参拝することが多い

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