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オオクニヌシと八十神

出雲の国を建国したオオクニヌシには大勢の兄がいる
その数は、あまりにも多いので
まとめて八十神(やそがみ)と呼ばれている

この八十神は、因幡のヤガミヒメと結婚したいと願っていた
そして八十神は、因幡へ向かった
その時に、雑用係として、荷物持ちとして連れて行ったのがオオクニヌシである

八十神とオオクニヌシは、ヤガミヒメのもとにたどり着いた
そして、八十神はヤガミヒメに求婚した
しかし、ヤガミヒメは八十神ではなくオオクニヌシに嫁ぎたいと宣言した

このことに怒った八十神は、オオクニヌシを消そうとして
真っ赤に燃える大岩をオオクニヌシの上に落したり
大樹の隙間に挟んだりして殺してしまった

オオクニヌシは、八十神に二回殺されたが
その度に生き返ったのだが
このままでは危ないと思ったオオクニヌシの母神は
オオクニヌシをスサノオのいる根之国へと送った

根之国で新しい力を得たオオクニヌシは
地上に戻ってきて、八十神を撃退した

この八十神は、古事記での扱いはあまりいいとは言えない
そもそも、何人なのか、何十人なのかも不明であるし
個々に名前も与えられていず
兄弟の中で名前が明確なのはオオクニヌシだけであり
あとは、全員ひとくくりにされてしまっている
嫁ももらえず、最後はオオクニヌシによって退けられてしまうので
少しかわいそうな気もする

しかし、それは仕方のないことなのかもしれない
そもそも、この話はオオクニヌシが出雲を建国するまでの一過程い過ぎず
兄達は、やはり主役ではないので
申し訳ないが、この程度の扱いしかないようだ

根之国から戻ってきたオオクニヌシの話の中心は出雲の建国についてなので
八十神を撃退した話も、古事記ではたった一行しか扱われていないのである

しかも、なぜ一番末っ子が主役なのだろうか…

古代は、家督を一番下の弟が継ぐという末子相続が一般的であった

八十神もスサノオの子孫ではあるが
末子相続の慣例に従い、末弟であったオオクニヌシが
スサノオの後を継ぎ、葦原中国を治めることになったのである

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