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仏教の変化

仏教とは何か?と聞かれて

答えを出せる人はどのくらいいるだろうか?

日本人の多くが信仰しているとされている仏教であるが

地域差、宗派などにより解釈は様々で

行事の執り行ない方でしか、説明できない場合も多い

 

仏教はどんな宗教か?

そして仏教の最終目的は何か?

 

簡単に説明すると

仏教とは、「仏に成ること」「成仏すること」を最終目的とする宗教であるといえる

 

人間の苦しみから解放されて

「悟り」を開くこと

その「悟り」を得た人を

「仏」「仏陀」「覚者」「如来」などというが

お釈迦様が目指したのは、この「悟り」を得た「仏」になることだったのだ

 

しかし、私達が普段使っている仏教という言葉には

様々な意味と内容があり

地域や、時代、宗派などによって違った形で表れている

 

仏教の基本となる中心的な教え(教義)は約2500年前にインドでお釈迦様によって説かれている

 

それゆえにこれを否定するような仏教は存在しないはずなのだが

長い歴史の間に仏教が、様々な地域に、多くの人々によって伝わったので

仏教はゆっくりと変化してきた

 

単純に2500年前にお釈迦様が説かれた「原始仏教」と

21世紀の日本で、私達が身近に感じている「現代日本の仏教」とでは

全く別のものと考えなくてはならないほど違うものなのだ

 

もし、お釈迦様が現代日本の仏教を知ったら

間違いなく「これは私が説いた仏教ではない」と言うはずだ

それほど、仏教と一言で言っても

人によっては、全く違う意味を持っているのである

 

なぜならば、これだけ長い年月をかけ

世界を股にかけて広く伝達されてきたので

その土地の文化・風習によっても解釈が変わり

歴史的背景によっても解釈が変わっていく

 

例えばインドの中だけでも

「原始仏教」「小乗仏教」「大乗仏教」

そして大乗仏教の中から生まれて最後の仏教となった「密教」まで

様々に変化している

 

地域でいうと

スリランカ・タイ・ミャンマー・カンボジアなどの南へ伝わった南方仏教

ブータン・ネパール・チベット・中国・朝鮮半島・日本などの北へ伝わった北方仏教

とでは、それぞれ独自の仏教を形成している

 

その他にも、何に重点を置くかでも変化を見せている

宗教は本来「学」と「行」が両輪のように連動するものだが

「学」を重んじる「学僧」と、「行」を重んじる「行僧」とが歴史上対立したりしていた

 

 

このように

歴史的な変化(時間的変化)、地域的な変化(空間的変化)、質の変化(質的相違)を理解して現代の仏教を解釈しなければ

仏教の本質は、見えてこないものなのだ

 

仏教の変化を理解しえ

初めて、仏教論の話に入っていけるのである

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