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お墓の多様化

前回、人々のライフスタイルの変化が公園墓所に移行していく話を書いたが

それに伴い、お墓自体も多種多様に変化し

個々の事情に合わせて、様々なお墓が登場することになる

 

関東大震災や、戦後の復興により

全ての生活の場がリセットされた関東圏は

その復興に伴う土地区画整理事業によって、墓地が生活圏から離れて遠隔地へ移転されることに拍車がかかる

 

そして、1970年代の高度経済成長期に登場した民間の大規模霊園は

人々の生活の場から墓地がますます離れていくことになり

墓地の地縁からの離脱が進むことになる

 

これは、日本の経済成長とともに劇的に変化し

民間の大規模霊園の出現は

日本の国民総生産が世界のトップクラスに入ろうとしていた時期だった

 

経済の活性化とともに市場原理による墓地の供給が始まった

 

公営墓地が主に市町村の住民を対象にしているのに対して

民間の大規模霊園は、墓地の供給と選択を多様化させることになる

 

それと同時に、今まで先祖代々のお墓であったものが

ライフスタイルの変化や心情の問題など

様々な事情を抱えることで多様化し

夫婦墓や個人墓が登場してくるのである

 

墓地の立地も見直され寺院境内地に納骨堂を建てるケースも多くみられ

ビル型の墓地や貸ビルの屋上に建設される場合もある

 

お墓の縁者も従来の家系や地縁単位を超えた形式や

煩わしさの少ない夫婦墓や個人墓も登場することとなる

 

少子化の影響で継承者が両家のお墓を管理するために

利便性を考えて、墓所内に二つのお墓を置いたり

一枚の石碑に二つの家の姓を彫刻し合同のお墓にしたものも見られる

 

高齢化が進むと、お墓に入る順番も変わることも多くみられ

さまざまな不安から夫婦墓や個人墓のようなものに関心が集まったと考えられる

 

このような事情から、現代のお墓の形式が確立していったのである

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